4 December 2009

Belfast -5 : 「平和の壁」と「柵に囲まれた教会」 The Falls Road and St. Mary Church


5 : Bóthar na bhFál "Road Of the Hedgerows"
(and St. Mary Church)



市内中心地を抜けて、大きな国道を超えるとFalls Road入り口の看板が見えてきた。
Falls Roadとは通称「平和の壁」と言われていて、プロテスタント(ユニオシスト)とカトリック(ナショナリスト)の居住区を隔てる壁のことをいう。

この壁画にはカトリック市民差別について、そして「北アイルランド」の旗とイギリスの旗以外を掲げることを(特にアイルランド国旗)数十年程禁止されていたという内容が書かれている。

そして「有名」なFalls Roadへ。
ここにはベルファストでの弾圧についてのみならず、革命の英雄チェ・ゲバラやスペイン・バスク地方やパレスチナ問題、ピカソのゲルニカ、そしてブッシュ政権の批判といったメッセージが描かれている。

この地は1960年後半、アメリカの公民権運動に触発されて、ここのエリアのカトリック居住者が宗教差別の反対運動を行い、運動を恐れたプロテスタント側(ロイヤリスト)主体の北アイルランド警察及び活動家が報復の為に、この地区を襲撃し放火したりした。

そして治安維持の為に英国軍が駐留し始めたが、やがてカトリック側(IRA)に対してガス攻撃や銃撃などを行い、多数の死者が出た。その後英国軍、IRAをはじめとしたカトリック及びプロテスタントの私兵組織が抗争を繰り広げて、泥沼化、激化の一途を辿っていたが、1996年のベルファスト合意により、停戦。

そして2005年に英国軍はこの地から撤退、ただし現在でも対立は続いていて、小競り合いは頻繁に起こっているらしい・・・。

この人はフレドリック・ダグラスという有名な19世紀のアフリカ系アメリカ人の政治家及び奴隷制解放運動家で、奴隷制活動家の元祖的人物。

彼は著書「アメリカの奴隷」が世界中にベストセラーとなり、本国にて身の危険を案じて、アイルランドに一時渡った。
のちにアフリカ系アメリカ人初のアメリカ副大統領に選出されたとのこと。


ここは不謹慎ながらベルファストの観光名所にもなっている。
殆どの旅行者は、タクシーかツアーワゴンに乗りながら写真撮影をして、撮り終わったら即Uターンして市街地へ戻っていっていた。

僕も好奇心に駆り立てられてこの地にやってきたのだから、所詮彼らと同類。

重たく悲しい歴史のあるこの道と、そこに住んでいる紛争の解決と平和や自由を望んでいる人達の地に対して、勝手に土足で踏み込んでいいのかな?と感じてしまった。


しかし、ここのブログに訪れてくれている人達に「このような場所がイギリスにもある」という事を知ってもらえれば、多少の意義はあるのではないかな、と考えることにしよう。

また壁を写真を撮ろうとした時、通ってきた自動車がわざわざ撮影の邪魔にならないように配慮し停車してくれた。「この通りを忘れないで欲しい」という願いだったのかな?

上の壁画は「1907年のストライキではカトリックもプロテスタントも一緒に戦ったではないか」というメッセージ。
壁の向こうに見えるSt. Peter's Cathedral(カトリックの大聖堂)が何かを問いかけているように思える。



ちなみに路線バスで行く場合は、ここが一番近くの停留所。
日のあるうちは、そんなに危険ではないと思うが、あくまで自己責任で訪ねて下さい。

最後に、ジョン・レノンがSunday Bloody Sundayという曲にて、この地について歌っているので引用する。


Keep Falls Road free forever
From the bloody English hands
Repatriate to Britain
All of you who call it home
Leave Ireland to the Irish
Not for London or for Rome!

血みどろのイギリス人の手から
フォールス・ロードを永遠に守ろう。
イギリスを母国とする連中は全員イギリスへ帰れ
アイルランドはアイルランド人の手に
ロンドンでもローマでもない!

Lyrics : John Lennon
(対訳 : 今野雄二・・・アルバムSometime in New York City歌詞カードより)


再び市街地に戻り、再びダラダラと散歩した。



大通りにあるショッピングモールは多くの人で賑わっていたが、少し小路にそれると人も少なくて、妙に落ち着く。
石畳と先にあるアーチになっている建物がいかにも欧州的☆

歩き疲れて、お腹もペコペコだったので、近くの本場アイリッシュパブでパブランチを食べながら、ビールを飲んだ。
当然(一応)アイルランドにいるので、当然ギネス・ビール!
何杯も飲み干し、さらにベルファストで一番ポピュラーなHarpというビールもがっつり飲んでフラフラしながら表に出た。

少し酔いさましに歩いてみると、柵に囲まれた教会を発見した。

聖母マリア(?)らしきものをひざまづいて祈る少女の像。
そして洞窟らしき背景、しかし柵のせいで近寄ることができなかった。


神秘的な雰囲気がとても気になっていて、帰国後調べてみたらここは聖メアリー教会という名前の教会で、1782年にプロテスタント長老派の尽力によって建てる事ができた歴史的な教会らしい。
(当時は前項で書いた通り、アイルランドではカトリックの信仰を禁じられていた)

そして洞窟のような形の礼拝堂(?)の上に

Lady of Lourdes Pray For Us

と書かれている。

Lourdesという単語の意味を調べてみると、フランスとスペインの国境にある「ルルドの泉」という有名なカトリックの聖地を模したものと思われる。(よってこの礼拝堂おぼしき建物自体は1850年以降に建築されたと思われる。またルルドの泉についてはWIKIで調べてみて下さい)

しかしこの教会の周りに囲まれた高い柵を見ると、この地での宗教的迫害を感じ取れてならない・・・と思うのはネガティヴに考え過ぎなのかな??


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