6 November 2009

Derry -7 : ボグサイド地区の壁画


7 : The Bogside Gallery of Murals



ボグサイド地区には、数多くの壁画が住居に描かれている。
しかし、どの壁画も過去の戦いについてや平等を求める内容のものなど、ある種のメッセージボード(というか魂の叫び)のように思える。

とはいえ、そのメッセージはどれも、戦いに対する力強さと正義、悲しさに満ち溢れていて、眺めていると「(お上から)与えられた民主主義」の中、ヌクヌクと育ってきた日本人の小生には到底、理解し難いことである。

Ernesto Che Guevara Lynch (ゲバラの本名)


Falls Road(フォールズロード)にもあったが、ここにもチェ・ゲバラの肖像画が描かれている。

Guevara at Falls Road (Belfast)


その理由は「革命の英雄」という陳腐なものでなく、彼のルーツ(血筋)がアイルランド系であったからである。
彼の父親はファミリー・ネームに「Lynch」と付いており、さらに辿っていくと1700年代にアイルランド西部の街、Galwayに生まれたパトリック・リンチという人物に遡る。

壁に書かれた「In my son's veins flowed the blood of the Irish rebels」という言葉は、1968年にゲバラが殺害された後に父親が残した言葉である。
(ちなみに彼はスペインバスク地方の血も受け継いでいる)

もし、ゲバラが1970年代も生きていたならば、IRAの活動をどう感じていたのだろう・・・。

Civil Rights


この画は「カトリック教徒に対して平等に扱え!」という初期のデモ・・・公民権運動についての様子(1968年10月5日)を描かれている。
尚、ナショナリスト政治家のEddie McAtterや、のちのデモを先導していたVinnie Coyleなどといった活動家達もこの中に描かれている。

The Rioter

壁画に描かれているこの青年は、プラスティック弾など警官隊の攻撃に対抗する為に、壊れた窓枠を持ちながら装甲車に立ちはだかっている絵である。
尚、画家曰く「1989年の天安門事件にて、非武装の青年が戦車の前に立って進路を塞いでいたシーンに影響を受けて書いた」とのこと。

Bernadette

メガフォンを持っているのは、Bernadette Devlinという女性で1969~74年まで、中部アルスター区選出の国会議員。
初当選の時点で彼女はまだ19歳で、国会議員としては当時最年少とのこと。
この画は1969年のThe Battle of Bogsideで指揮をとっていた様子を描かれたもので、その後投獄されるが、翌1970年には再選した。


Bloody Sunday

1972年の「血の日曜日」事件にて英国軍によって発砲されて、Jackie Duddyが射殺されたときの様子を画にしたものである。Daly牧師が白いハンカチを揺らして、担ぎ込まれている彼の前で先導している様子が描かれている。
なお、彼は当時17歳でこの事件での最初の犠牲者となった。
(前回のブログ記事に貼り付けたYou Tubeに、この時の様子が映像として見ることができます)

The Petrol Bomber

The Battle of Bogside25周年であった1994年に描かれた.ボグサイド地区最初の壁画。
この画は火炎瓶を持った青年が、警察のCSガスに対抗するために、第二次世界大戦時に配布されたガスマスクを着用しながら、攻撃の機をうかがうシーンを描いている。

(Left) Motorman
(Right) The Runner

1972年7月21日、IRA暫定派(PIRA)によってベルファスト市内で連続爆破テロがおこなわれ、150名以上の死傷者が出た。(血の金曜日事件・・・Belfast Bomb Blitz)
この事件に対して、1972年7月30日早朝にイギリス軍が22000人の兵を動員し、ボグサイド地区の「Free Derry」バリケードを破壊し、占拠したという英国政府の報復行為的な事件。
この事件をOperation Motormanと呼ばれている。

この後、テロが激化。報復が連鎖してしまい泥沼化してしまう。


The Runnerは、アルスター警察がCSガスを使用して逃げ惑う人達を描いている。
今なお、CSガスによる呼吸障害を持つ住民が数多くいるらしい。

The Hunger Strikes

1970年代多くのレパブリカンがインターンメントにより逮捕され、H Blocksというロズヴィル通りのFree Derry Cornerの近くにあった政治犯収容所に収容され、人権無視の拷問を受けていた。

政治犯には一般の受刑者とは違う待遇(受刑服を着なくてもよい、所内の作業を行わなくてもよい等)を受ける権利があったにも関わらず、1976年にイギリス政府がその特別待遇を廃止したため、彼らも一般受刑者と同じような扱いを受けるようになった。

そして1980年9月、この収容所で囚人服を着させられることに反対し、ブランケットを身にくるんで政治犯としての権利を求めてハンガーストライキを起こした。
画の男はRaymond McCarthyという人物で53日間ストを行った。

尚、1970年代時の拷問については、2007年にフジロックフェスティバルに出演したGang of FourのEitherという曲にて取り上げられている。

Either / Gang of Four

White noise in a white room
White noise in a white room
White noise in a white room
White noise in a white room

Trapped in heaven life style (locked in Long Kesh)
New looking out for pleasure (H-block torture)
It's at the end of the rainbow (White noise in)
The happy ever after (a white room)

Dirt behind the daydream
Dirt behind the daydream
The happy ever after
Is at the end of the rainbow



以上、これらはデリー市のHPにあった観光ガイドより意訳しましたので、間違いがあったらご容赦を。
ボグサイドの出来事についてずっと書いてきたが、どう感じるかは皆様次第です。

もし「キリスト」が北アイルランド問題に限らず、過去にもあった同じ宗教間の『The Troubles』を天から見ていたならばどう感じられているのだろう?


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